「佐々爺」

     「佐々爺」

 こういう会があると、「一杯」にありつける。何時でも、それだけが目当でくる酒好きな、東三線北四号の「佐々爺」がブツブツこぼした。「糞も面白ぐねえ。――早く出したら、どうだべ。」「んだよ、んだよ、な、佐々爺。」――七之助が面白がった。「飽き飽きするでえ!」 佐々爺は何時...

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「地主代理」

 七之助は聞きながら、一つ、一つ武田の演説を滑稽にひやかして、揚足をとった。「武田の作ちゃも偉ぐなったもんだな。――悪たれ[#「悪たれ」に傍点]だったけ。」 健の前に坐っている小作だった。――「余ッ程、勉学したんだべ。」 七之助が「勉学」という言葉で、思わず、プウッ! とふき出してしまった。...

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「武田」

 校長を信頼していた健が、そのことを直ぐ校長に話してみた。「そんな馬鹿な、理窟の通らない話なんかあるものか。お前さんが親孝行だし、人一倍一生懸命に働くからさ。」と云った。――健だって、それはそうだろう、と思った。 阿部だけは、地主やその手先の役場の、とても上手《うま》い奸策だと云った。「もう少...

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