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「武田」

 校長を信頼していた健が、そのことを直ぐ校長に話してみた。「そんな馬鹿な、理窟の通らない話なんかあるものか。お前さんが親孝行だし、人一倍一生懸命に働くからさ。」と云った。――健だって、それはそうだろう、と思った。 阿部だけは、地主やその手先の役場の、とても上手《うま》い奸策だと云った。「もう少...

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模範青年

     模範青年

「見れ、武田の野郎、赤い徽章ば胸さつけて、得意になって、やってる、やってる!」 七之助が演壇の方を顎でしゃくった。――阿部はだまって笑っていた。「な、健ちゃ、青年同盟だ、相互扶助会だなんて云えば、奇妙にあのガキガキの武田と女たらしの、ニヤケ連中が赤い徽章ばつけて、走って歩く...

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「阿部さん」

     「阿部さん」

「小樽さ行《え》ぐごとに決ったど。」 阿部と一緒に七之助がいて、健を見ると云った。「工場さ入るんだ。――伯母小樽にいるしな。……んでもな、健ちゃ、俺あれだど、百姓|嫌《えや》になったとか、ひと出世したいとか、そんな積りでねえんだからな。――阿部さんどよく話したんだども、...

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