「阿部さん」

     「阿部さん」

「小樽さ行《え》ぐごとに決ったど。」 阿部と一緒に七之助がいて、健を見ると云った。「工場さ入るんだ。――伯母小樽にいるしな。……んでもな、健ちゃ、俺あれだど、百姓|嫌《えや》になったとか、ひと出世したいとか、そんな積りでねえんだからな。――阿部さんどよく話したんだども、...

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「停車場のあるH町」

  ┌───────────┐  │ 強靱なる独立心と  │  │ 服従の美徳と    │  │ 協同の精神へ!   │  └───────────┘

 会が終ってから、「一杯」出るという先触れがあったので、何時になく沢山の百姓が集っていた。「停車場のあるH町」からも来ていた。大概の小作は...

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「S相互扶助会」発会式

「兄ちゃ、由この頃どこから覚べえて来るか、こったら事ばかり云うんだど!」 お恵は背中に物差しをさしたままの恰好で、フイ[#「フイ」に傍点]に顔色をかえた。それが見る見るこわばって行った。 と、お恵は、いきなり、由三を物差しで殴りつけた。ギリギリと歯をかみながら、ものも云わずに。物差しがその度に、...

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